結論: 所得が多い側が寄付するのが基本
ふるさと納税の控除はそれぞれ「寄付した本人の住民税・所得税」から差し引かれます。夫婦の控除を合算したり、配偶者の枠を使ったりはできません。世帯としての寄付可能枠を最大化するには、所得の多い側(住民税所得割が大きい側)が寄付すべき、というのが原則です。
年収 600 万円の夫と年収 300 万円の妻のケースでは、夫の控除上限が約 7.7 万円、妻の上限が約 2.8 万円。世帯としては夫から寄付すれば 7.7 万円分まで返礼品が受け取れますが、妻からだと 2.8 万円までです。
1. 年収パターン別の最適配分
年収パターン別に「どちらが寄付すべきか」「世帯トータルでどれくらい寄付できるか」を整理します(扶養なし・社会保険料約 14% 想定)。
- 【パターンA】夫 600 / 妻 0(専業主婦): 夫から 7.7 万円。妻は寄付しても控除なし → 夫一択
- 【パターンB】夫 600 / 妻 300(扶養内パート): 夫 7.7 + 妻 2.8 = 世帯 10.5 万円。妻側にも余裕あり
- 【パターンC】夫 600 / 妻 600(フルタイム共働き): 夫 7.7 + 妻 7.7 = 世帯 15.4 万円。両方寄付推奨
- 【パターンD】夫 800 / 妻 400(フルタイム): 夫 12.0 + 妻 4.5 = 世帯 16.5 万円
- 【パターンE】夫 1,200 / 妻 800(高収入共働き): 夫 26.0 + 妻 12.0 = 世帯 38.0 万円。各々の枠を最大限使う
2. 「片方に寄せる vs 両方使う」の判断基準
両方が一定の所得を持つ共働き夫婦の場合、片方に寄せるか両方使うかの判断は次の基準で決めます。
- ①世帯全体の寄付額を最大化したい → 両方それぞれの上限まで寄付するのが最大化(パターン B〜E)
- ②管理を簡単にしたい → 所得多い側に集中、ワンストップ特例 5 自治体以内に収める
- ③返礼品の好みが分かれる → 各々の好みで両方寄付(管理は増えるが満足度高い)
- ④寄付金控除の確定申告を片方しかしないなら、確定申告する側に集中する方が処理が楽
3. 産休・育休中の妻のふるさと納税
産休・育休中の妻は、休業前の給与所得 + 育児休業給付金が混在します。育児休業給付金は非課税のため、ふるさと納税の上限計算には含まれません。妻の年内の課税所得が大きく下がるため、上限はかなり小さくなります。
- 産休前 6 ヶ月分の給与のみで上限計算 → 通常時の半分程度になる
- 育児休業給付金は所得税法上非課税のため、ふるさと納税の上限(課税所得ベース)には含めない
- 翌年は完全に育休だと、課税所得 0 で上限 0 円
- → 産休・育休中は妻の寄付は控えめに、夫側に寄せるのが基本戦略
4. 所得逆転の年(妻が昇進・夫が転職減収)
「今年は妻の方が稼いだ」「夫の転職で年収が一時的に下がった」など、夫婦の所得が逆転または近づく年もあります。
- 11 月時点で当年の年収を再予測 → 多い側を確定
- 夫婦のどちらが多いか不明確なら、両方の上限を試算して合計が最大になる配分を選ぶ
- 「ふるさと納税帳」のシミュレーターで、家族の年収・控除を入れ替えて両方計算可能
5. ワンストップ特例の管理: 夫婦合算 5 自治体ではない
ワンストップ特例は「寄付した本人」が 5 自治体以内なら使えます。夫が 5 自治体、妻が 5 自治体、それぞれ別々に使えるので、世帯としては合計 10 自治体までワンストップ特例 OK です。
- 夫が 5 自治体、妻が 5 自治体 → どちらもワンストップ特例 OK(合計 10 自治体)
- ただし「同じ自治体」を夫婦で別々に寄付してもそれぞれ 1 つにカウント
- 申請書は寄付者本人の住民票住所の自治体に送る → 夫婦同住所なら同じ宛先
- 「ふるさと納税帳」では夫婦別々のアカウントで管理せず、本人モードで使うことを想定(家族共有は v2 以降検討予定)
6. 「ふるさと納税帳」で夫婦の上限を見比べる
夫婦どちらの上限が大きいか、両方の年収・控除を入力して比較するのが最も確実です。本アプリでは:
- オンボーディングで「会社員」「会社員+副業」「自営業」を選ぶ
- 夫婦それぞれの年収・社会保険料・iDeCo・住宅ローン控除を入力
- 上限・寄付推奨額がリアルタイムで表示
- 夫婦の数字を入れ替えて比較可能(シミュレーター画面)
- データは端末内のみ・クラウド送信なし、配偶者の所得情報も安全
まとめ
- 夫婦の控除は合算できない、それぞれの本人の住民税・所得税から控除される
- 原則は所得が多い側に寄せる → 世帯としての寄付可能額が最大化される
- 両方が一定の所得を持つなら、両方それぞれの上限まで寄付するのが世帯トータル最大化
- 産休・育休中は妻の所得が下がるため、夫側に寄せる
- 所得逆転の年は 11 月時点で再予測、両方の上限を計算してから配分
- ワンストップ特例は本人ごとに 5 自治体まで → 夫婦で合計 10 自治体まで OK
- 「ふるさと納税帳」で夫婦両方の年収・控除を入力すれば最適配分が分かる